人は好きなことや興味のあることは覚える
残りあとわずかになった講座ですが、受講生さんが抜群に上達しました。
力加減、当てるポイント、すべてが上達して驚くほどです。
最初、わけがわからなくて自分が何をやっていたかもわかりませんでした、と、言いました
縁あって当店に来てくれた方が難しい病気を持っていて、家も近い、ということでモデルをお願いしたところ、承諾いただき、その方を相手に簡単に流れを教えて、徹底的に感覚を覚えてもらうことに終始しました。
このお互いが利益が一致した状態が生れたことが本当に奇跡のようで、また、とても素晴らしい出会いだったと思います。モデルさんが施術について彼女に言ってくれることが毎回刺激になっているようでした。
わたしは手取り足取り絶対に教えません。教えるのは、できてる、できてない。くらいです。全部生徒さんに考えさせます。そのやり方は、一般的に教室を開講している人からすると、非常に簡素で、これでいいのか、と、不安になるくらいだと思います。でも、わたしはそのやり方が一番正しいと思いました。
今、世の中には技術がたくさん世の中にあります。わたしはたくさんの技術を学んできた結果、ひとつの答えになりました。
手取り足取りして教えてもらった技術や考えは忘れる。
たくさんの技術を覚えても、自分の体で覚えないものはただのゴミになる。お金も時間もゴミです。
人が本当の意味で覚えてそれが役立てるのは、自分の体が覚えて、自分の心が本当に理解したときです。
何か一つでも肚に落とすことが大事です。あーそういうことか、ということを。
何をするにも本当に必要なのは、自分の心。自分が感覚を覚えること。
閑話休題
子供が言うことを聞かない、という親御さんに会いました。毎回会うたびに子供がダメだ、子供が言うことを聞かない、と、感情をこめて言います。
その時に、子供に言うことを聞かせようとしているんだな、と、思いました。子供も大人も人から強制されることを好き好んでやる人はいません。
わたしの居合の先生は、わたしと同じように”何も教えないこと”の重要性をいつも教えてくれ、わたしの自信になりました。そして、”待つ”ということの重要性も同時に教えてくれました。
わたしたちは、自分たちが何かをしたい、させたい、と、人を自分の思った通りに動かしたがることがあります。でも、それはただ、動かしたい私たちが相手の意思なくしていることで、思う通りに動かされる身になると、心を閉ざすのは目に見えます。
言うことを聞かなくて不安になるのは、本人ではなくて言うことを聞かせたいわたしたち
わたしは、それがいけないことだと思い知った出来事があり、それからは絶対にやらないことに決めました。
あのときに、今みたいにできていたら何かが変わっていたかもしれません。待つ、という大事なことをわたしが怠ったために、単純に不安だったからという心理的な理由で、この子供の親御さんのように言いすぎて心を閉ざさせたのだと思うのです。
だから、この親御さんが昔のわたしを見ているようで虫の居所の悪い気持ちが会うたびにするのでした。
わたしには、当時相手を信じることができなかったのです。
悪いところばかり見て、いいところを見なかったのです。
それは、わたしが待てなかったからです。早く物事を覚えさせることが結果的には砂の城のようにもろく、待って時間をかけて積み重ねるほうが、牙城の城になる。人が強くなるには、育てる人間が待ち、また、信じてあげることが重要なのです。
そういう大事なことができるようになるには、わたし自身が変わることが必要でした。
相手を変えるためには、まず自分が変わらなければいけないのです。
もしかしたら、言うことを聞かせたい相手より、言うことを聞かせたい私たちのほうが劣っていることも多々ある
子育ても、会社の中の立場的な問題も、組織を大きく、牙城を築くためには、個々の実力を信じ、結果を待つことも必要なのだ。それが時間がかかることであっても、昔の松下やホンダなど、名だたる大企業が小さい会社から大きくなったのも、きっとこれが出来ていて、これがあったから革新的な商品を作ってこれたのではないか、と。
やっと先生の言うことが分かったと言ってくれた
昨日の受講日、残るはあと数日となったのですが「やっと先生の言っている意味が分かった!」と、言ってくれました!
これは本当にうれしかったです!
モデルさんも、「今日はすごくうまくなっててびっくりした!」とみんなで感激した一日で。
ただ、マッサージするのではなくて、誰にとっても気持ちのいいマッサージができる人になるためのポイントを少しだけ言うことで、あとは自分の頭で考えて、自分の腹に叩き込む。そういうことができた。ありがとう受講生さん!
本当は人を成長させるため、育てるときは言葉はそんなにいらなくて、自分がやってみせ、そしてできたことを褒めて、できなかったことは考えさせればいいだけで。
わたしたちが無理やり何かをさせる必要はないんだなあ。
人はみんな。興味があることは、自分の頭で、自分の体で覚えることができる。